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■世界が怯えるリスクの実像を捉える●中国経済の減速が一段と進みつつある。世界経済を牽引してきた巨大経済圏の行方に世界が怯えている。また、格差是正を目指す「共同富裕」が経済の減速に拍車をかけるとの見方もある。本書は、さらなる中国減速の実態を探るとともに、内外への影響を中長期的な視点から明らかにする。●不動産バブル、地方財政はどうなるのか――。経済格差を是正するため不動産価格を抑制する政策は、不動産会社の経営と地方政府の財政を圧迫し、金融リスクとなって跳ね返る懸念がかねて言われてきた。しかし、不良債権の水準は中央政府がコントロールできる水準に収まっており、金融のシステミックリスクには至らないと著者は見る。とはいえ、不動産投資が牽引した成長は抑制され、緩やかな経済の減速が進む。●中国経済は成長要因と抑制要因が錯綜している。2000年代以降に急成長したテック企業と経済のデジタル化は依然として伸長し、経済を牽引している。対外的には、2060年のカーボンニュートラルを公言している中国は、太陽光発電や風力発電に関わる機器分野で世界最大の供給者となっている。エネルギー多消費型の工業が成長の抑制要因となる一方で、グリーン成長をはかる十分なポテンシャルがあり、脱炭素が成長を阻害するとばかりは言えない。人口減少や少子高齢化が進む一方で、都市化の余地は残されており、プラス面とマイナス面が微妙なバランスをとっている。●日本では、政治的な対立に目を奪われ、中国経済のマイナス面ばかりを強調する議論が見られるが、冷静な評価が必要だ。米国では、政治的な対立が目に付くものの、現実の米中貿易は伸びている。半導体ですら、輸出禁止の例外として認可されているケースが多々あるという。さらなる経済の減速が見込まれるものの、限定されたリスクの中で勝機を見出すしたたかな米国企業を見習うことも重要だ。●終章では、中国経済の近未来を3つのシナリオで検討する。ロシアのウクライナ侵攻の影響など、見通しにくいファクターが多いが、それらを加味して(1)良好シナリオ、(2)リスクシナリオ、(3)現実的なシナリオの3つに分けて中長期の中国経済を見通す。同時に、日本企業が考えるべき選択肢を提示する。
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出版社からのコメント
■世界が怯えるリスクの実像を捉える●中国経済の減速が一段と進みつつある。世界経済を牽引してきた巨大経済圏の行方に世界が怯えている。また、格差是正を目指す「共同富裕」が経済の減速に拍車をかけるとの見方もある。本書は、さらなる中国減速の実態を探るとともに、内外への影響を中長期的な視点から明らかにする。●不動産バブル、地方財政はどうなるのか――。経済格差を是正するため不動産価格を抑制する政策は、不動産会社の経営と地方政府の財政を圧迫し、金融リスクとなって跳ね返る懸念がかねて言われてきた。しかし、不良債権の水準は中央政府がコントロールできる水準に収まっており、金融のシステミックリスクには至らないと著者は見る。とはいえ、不動産投資が牽引した成長は抑制され、緩やかな経済の減速が進む。●中国経済は成長要因と抑制要因が錯綜している。2000年代以降に急成長したテック企業と経済のデジタル化は依然として伸長し、経済を牽引している。対外的には、2060年のカーボンニュートラルを公言している中国は、太陽光発電や風力発電に関わる機器分野で世界最大の供給者となっている。エネルギー多消費型の工業が成長の抑制要因となる一方で、グリーン成長をはかる十分なポテンシャルがあり、脱炭素が成長を阻害するとばかりは言えない。人口減少や少子高齢化が進む一方で、都市化の余地は残されており、プラス面とマイナス面が微妙なバランスをとっている。●日本では、政治的な対立に目を奪われ、中国経済のマイナス面ばかりを強調する議論が見られるが、冷静な評価が必要だ。米国では、政治的な対立が目に付くものの、現実の米中貿易は伸びている。半導体ですら、輸出禁止の例外として認可されているケースが多々あるという。さらなる経済の減速が見込まれるものの、限定されたリスクの中で勝機を見出すしたたかな米国企業を見習うことも重要だ。●終章では、中国経済の近未来を3つのシナリオで検討する。ロシアのウクライナ侵攻の影響など、見通しにくいファクターが多いが、それらを加味して(1)良好シナリオ、(2)リスクシナリオ、(3)現実的なシナリオの3つに分けて中長期の中国経済を見通す。同時に、日本企業が考えるべき選択肢を提示する。